【歌詞解説】The National Anthem / Radiohead – いまや国をまとめ上げるのは忠誠心ではない

歌詞

Everyone
Everyone around here
Everyone is so near
It’s holding on
It’s holding on

Everyone
Everyone is so near
Everyone has got the fear
It’s holding on
It’s holding on

It’s holding on
It’s holding on
It’s holding on

和訳

みんな
ここにいるみんな 
みんながまとまって
もちこたえている
もちこたえている

みんな
みんながまとまって
みんな不安を抱いて
もちこたえている
もちこたえている

もちこたえている
もちこたえている
もちこたえている

解説

この曲はとてもシンプルな情景描写だ。
トムたちから見た国のあり方はこのようなものだった、ということだ。

長い混乱の果てに Everyting in Its Right Placeを書き上げたあと、トムは自信を取り戻したのだ。閉ざしていた心を広げ、そして顔を上げたのだ。そうして目に飛び込んできたのは、人が虚ろに行き交う道路であり、正気をなくした町であり、威光を失った国だった。

彼はいままで、自分はちっぽけでみじめな存在だと感じていた。世界は自分を蹂躙する、とてつもなく大きな存在だと思っていたのだ。だがどうしたことだ! 彼は気付いたのだ。世界はこんなにも不安定で、破綻しているということに

「まとまっている(Everyone is so near)」というのはもちろん皮肉だ。表しているのは「人々がただ同じ場所にいる」ということだけだ。人々は何のつながりもなく、ただ同じ場所にいる。王への忠誠も、貫くべき正義もない。それが21世紀の「国」なのだ。いまや国をまとめ上げるのは「不安」だけ。外敵への恐れなのか、将来に対する不安なのか。とにかく、自身の生活を守るための、必然的で漠然とした不安だ。

もうここにはNo Surprisesで世界から逃げ出そうとした男も、Let Downで自己を慰めようとした弱い男もいない。

この曲からレディオヘッドの第二幕が始まったのだ。世界とは何であるか、人間は何をすべきなのか。そして、ロックミュージックに何ができるのかを問い始めたのだ。

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